ロープ作業はメインロープだけに依存しません。安全の基本は、予備ロープ(命綱)を設置し、滑落防止器具で確実にバックアップすることです。
滑落防止器具は「普段は作動しない」装置です。だからこそ、セットと確認が甘いと、肝心の瞬間に機能しない可能性があります。
滑落防止器具の役割
- メイン系統に異常が起きたときに落下を停止させる
- 落下距離を最小限に抑える
- 2本ロープ構造の「命綱側」を成立させる
全体構造は 2本ロープ原則 を参照してください。
使用前に必ず確認すること
- 使用するロープ径が器具の対応範囲内である
- 器具本体に破損・変形・強い摩耗がない
- カラビナがロック式で、確実にロックできる
- ロープの方向(上下)が正しい
「使えるはず」ではなく、毎回確認します。
基本手順(命綱側)
① 予備ロープ(命綱)を独立して設置する
命綱はメインロープと別系統として設置します。アンカーも含めて「別系統」として考えることが基本です。
② 滑落防止器具を正しい向きでセットする
上下方向を間違えると、追従しない・作動しない原因になります。器具の向きは必ず確認します。
③ ロック式カラビナで接続し、完全ロックを確認する
接続はロック式カラビナが基本です。締めた後に触って確認します。
関連:カラビナの正しい使い方
④ 追従(スライド)を確認する
通常時にスムーズに追従するか、引っかかりがないか確認します。追従しない状態は危険です。
⑤ 作動条件を理解しておく
滑落防止器具は「急加速」など一定条件で作動します。作動の前提(ロープ径、方向、操作)を理解し、条件を満たすようにセットします。
よくあるNG例
- ロープ径が適合していない
- 上下方向が逆
- カラビナが未ロック、またはゲート側に荷重がかかっている
- 命綱がメインと同一アンカーに依存しすぎている
命綱は「機材があるだけ」では成立しません。構造として成立しているかを毎回確認します。
種類の違いを理解する
滑落防止器具には複数のタイプがあります。構造の違いを理解して選ぶことが安全につながります。
まとめ
滑落防止器具は、2本ロープ構造の命綱側を成立させる安全装置です。普段は作動しないからこそ、正しい向き・適合・ロック・追従確認を毎回徹底することが重要です。
コメントを残す