カラビナの正しい使い方|ロープ歴20年が解説する安全手順とNG例

ロープ作業で使用するカラビナ。「正しく使っているつもり」でも、実は危険な状態になっているケースは少なくありません。

この記事では、カラビナの正しい使い方やってはいけないNG例、そしてプロが毎回確認しているポイントを、実務目線で整理します。

カラビナの役割とは?

カラビナはロープ作業における「接続点」です。

  • ロープと下降器をつなぐ
  • ロープとアンカーをつなぐ
  • 予備ロープ(命綱)側の器具をつなぐ

つまり、荷重が集中しやすい最重要パーツです。ここが破断・誤使用すれば重大事故につながります。

カラビナの正しい使い方【基本原則】

① 必ず縦方向に荷重をかける

カラビナは縦方向の強度が最も高く設計されています。横向き荷重(クロスロード)は強度が大きく低下する原因になります。

  • ロープが自然に縦方向に流れているか
  • 接触物に押されて横向きになっていないか

荷重方向は「見た目」で決めつけず、位置を整えてから確認します。

② ゲートは完全にロックする

スクリューロック式の場合、半回転だけ締めている・締めたつもりで緩んでいる、が危険ポイントです。

締めた後に軽く触って再確認。これを習慣にします。

③ ゲート側に荷重をかけない

ゲート側は構造上弱い部分です。金具やロープがゲート側に寄っていると危険な状態になりやすいです。

  • 金具がゲートに当たっていないか
  • ロープがゲート側に寄っていないか

ゲート側への接触や偏りがあれば、位置を修正してから作業に入ります。

よくあるNG例

❌ クロスロード(横荷重)

建物の角・金具・リングなどに押され、カラビナが横向きになるケース。強度が大きく落ちる原因になります。

❌ 半ロック状態

締めた「つもり」が一番危険です。ロープは常に動き、振動や接触で緩むことがあります。ロックは毎回確認します。

❌ 規格不明の製品を使う

強度や規格がはっきりしない製品は避けます。命を預ける道具は、価格よりも安全性と信頼性が優先です。

プロが行う最終確認ルーティン

作業前に必ず、同じ順番で確認します。

  • ロック確認(締めたか、緩みがないか)
  • 縦方向確認(横荷重になっていないか)
  • ゲート接触確認(ロープや金具が当たっていないか)
  • 異常確認(歪み、傷、違和感がないか)

安全は「技術」だけでなく「習慣」で守ります。

2本ロープ原則との関係

ロープ作業は原則として、メインロープ(下降器)と、予備ロープ(命綱:滑落防止器具)の2本構成で考えます。カラビナは両方で使用されるため、基本原則の徹底が重要です。

2本ロープの考え方と全体構造は、下記でまとめています。

/safety/two-rope-system/(メインロープと命綱の役割、下降器と滑落防止器具の基本構造を解説)

まとめ

カラビナは小さな金具ですが、ロープ作業における重要な接続点です。守るべき原則はシンプルです。

  • 縦方向荷重
  • 完全ロック
  • ゲート接触なし
  • 毎回同じ順番で確認

まずは「正しい形」を固定し、確認を習慣化していきましょう。

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