ロープ作業で使用するカラビナ。「正しく使っているつもり」でも、実は危険な状態になっているケースは少なくありません。
この記事では、カラビナの正しい使い方とやってはいけないNG例、そしてプロが毎回確認しているポイントを、実務目線で整理します。
カラビナの役割とは?
カラビナはロープ作業における「接続点」です。
- ロープと下降器をつなぐ
- ロープとアンカーをつなぐ
- 予備ロープ(命綱)側の器具をつなぐ
つまり、荷重が集中しやすい最重要パーツです。ここが破断・誤使用すれば重大事故につながります。
カラビナの正しい使い方【基本原則】
① 必ず縦方向に荷重をかける
カラビナは縦方向の強度が最も高く設計されています。横向き荷重(クロスロード)は強度が大きく低下する原因になります。
- ロープが自然に縦方向に流れているか
- 接触物に押されて横向きになっていないか
荷重方向は「見た目」で決めつけず、位置を整えてから確認します。
② ゲートは完全にロックする
スクリューロック式の場合、半回転だけ締めている・締めたつもりで緩んでいる、が危険ポイントです。
締めた後に軽く触って再確認。これを習慣にします。
③ ゲート側に荷重をかけない
ゲート側は構造上弱い部分です。金具やロープがゲート側に寄っていると危険な状態になりやすいです。
- 金具がゲートに当たっていないか
- ロープがゲート側に寄っていないか
ゲート側への接触や偏りがあれば、位置を修正してから作業に入ります。
よくあるNG例
❌ クロスロード(横荷重)
建物の角・金具・リングなどに押され、カラビナが横向きになるケース。強度が大きく落ちる原因になります。
❌ 半ロック状態
締めた「つもり」が一番危険です。ロープは常に動き、振動や接触で緩むことがあります。ロックは毎回確認します。
❌ 規格不明の製品を使う
強度や規格がはっきりしない製品は避けます。命を預ける道具は、価格よりも安全性と信頼性が優先です。
プロが行う最終確認ルーティン
作業前に必ず、同じ順番で確認します。
- ロック確認(締めたか、緩みがないか)
- 縦方向確認(横荷重になっていないか)
- ゲート接触確認(ロープや金具が当たっていないか)
- 異常確認(歪み、傷、違和感がないか)
安全は「技術」だけでなく「習慣」で守ります。
2本ロープ原則との関係
ロープ作業は原則として、メインロープ(下降器)と、予備ロープ(命綱:滑落防止器具)の2本構成で考えます。カラビナは両方で使用されるため、基本原則の徹底が重要です。
2本ロープの考え方と全体構造は、下記でまとめています。
/safety/two-rope-system/(メインロープと命綱の役割、下降器と滑落防止器具の基本構造を解説)
まとめ
カラビナは小さな金具ですが、ロープ作業における重要な接続点です。守るべき原則はシンプルです。
- 縦方向荷重
- 完全ロック
- ゲート接触なし
- 毎回同じ順番で確認
まずは「正しい形」を固定し、確認を習慣化していきましょう。
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